慢性疲労

父の罵声と、母の言い返す声と、兄のうろたえた姿は、私が物心ついたときに覚えている光景だ。母が言い返すから悪いのだと思った。すべて従っておけば私のように父から溺愛されるのに母はなんて愚かなのだろうと思った。一方で、母親を心配していた。なるべく私の素行が母にとっての心労とならないように、よい子供であろうとした。

 

これを書いたところでなにになるのか。現在の私にとってなにか良い変化をもたらすのかは明らかでない。吐きそうだ。どこにも行き場所はなく、周りに誰かがいたとしても私は一人だ。心を通わせることはないと思う。心配することはあっても、心配されることはない。またもし気遣われたとしても、その中には哀れみや同情が含まれていて、やはり私は一人なんだと痛感する。私の暗い過去を笑い飛ばしてくれる誰かに会いたい。

 

これはコントだ。笑ってもらえないとこれまでの不幸が本当にかわいそうな人生だったと認めなくてはいけなくなる。