はやく隠居したい二十歳

私は誰なのだろうか。この考えで頭がいっぱいになることが生活の中でよくある。漠然とした不安があるのだ。日々、他人に同調し流される毎日を消費していると、自分という確かな感触が曖昧になっていく感覚がする。人間はせわしない。一日の中で、あらゆる選択を瞬時に行わなければならない。非常に不愉快だ。前日に降った雨が空気を湿らせていることに敏感でありたい。日々あらゆる選択肢を熟考する暇もなくこなしていく毎日ではそうはいかない。そんなことに心を感じさせていては、声の大きい人間によって簡単に心が蝕まれてしまう。いちいち気にしない為には最大音量でミドリを聴いていればよい。サティを聴いている場合ではない。